
【テラフォーマーズ16巻】そういやなんで火星に来てたんだっけ?
2016/12/27
「テラフォーマーズ」16巻ともなると、激闘激闘続きで、そもそも何のために火星に来ていたのか忘れてしまっている読者も少なくないのでは無いでしょうか(笑)。この巻では失意のどん底にいるクルーの中で唯一“希望”の一言をいう者がいるのですが、それは…
★ようやくきた援軍!その戦力は?
「テラフォーマーズ」15巻でついに援軍が到着します!
さて、それは何人いて、どうやって体勢を整えるのか…
そう思った矢先の16巻。なんと乗っているのは二人だけでした。
さらに武器という武器は対空シールド(言ってみれば宇宙船からバリアを張ってその中にテラフォーマーが入れない仕組み)のみ。目的は火星からの脱出のみなので、医療設備は整っているものの、その他はまるっきしダメなシロモノだったのです…。
しかしなんと、その乗っている二人が強かった!
一人は膝丸神眼流免許皆伝、草間朝太郎。
もう一人は銃の達人にして草間朝太郎の上司、ダニエル・アーサーJr。
シールド内にいるテラフォーマーを難なく倒してしまうほどの実力者。力は未知数で今後その実力を発揮していく事が予想されます。
ボロボロのクルーも医療により回復が予想され、一先ず安心できる場面が多く一息つけるといった感じでしょう。読者もここまで走りっぱなしだった感じでしょうけど、ようやく一息つけますよ。
★ジョーの生い立ちと狙い
「テラフォーマーズ」16巻では、援軍が来た場面とは裏腹にジョーの真実が描かれています。
今まで人類の到達点にしてマーズランキング1位のジョーに「仲間」という目線でいたのが一転、彼の狙いを知ってしまうとなんとなく苦虫を噛み潰したような感じに…。読後の爽快感も全くなく、なんとも嫌な感じにさせられてしまいます。
そして艦長対ジョーのガチンコ対決。ここではさすがジョーそれ以上に、
「さすが艦長!」
と思わずにはいられないほどの激闘を繰り広げます。恐らくここでは、
「ジョーに制裁を!」
と思ってしまう読者が多い事のではないでしょうか。
そして艦長の生き様に、
「頑張れ」
とエールを送りたくなってしまいます。ジョーのポテンシャル対艦長の人間力(艦長、小町小吉の背中を押す全ての者達、全ての魂と言ってもいいでしょう)から目が離せません。
一度は裏切ったリュウも艦長側につき、この二人のバトルの凄さを物語っています。
★イワンの一言に希望を抱かずにはいられない
「テラフォーマーズ」16巻まで来ると、さらにバトルとピンチの連続に、
「何のために火星に来たか忘れた」
と言う人は少なくないでしょう。
そう、ワクチンを得に来ているのです。
そしてそのワクチンはテラフォーマー一体からは一つしか取れない仕組みになっているのです。
そこで驚愕な事実が発覚します。今回火星に来たクルーが死にまくって激闘を続け頑張りに頑張りを重ねた結果、生け捕りにしたテラフォーマーはなんとも38匹。たったの38匹です。火星で死んだ人間の数より圧倒的に少ないと言う最悪の結果…。
絶望に打ちひしがれ涙を堪えられないクルーの中で唯一、
「大丈夫」
と口を開く者がいました。第三班のイワンです。イワンは、
「自分達はすでに目的を達成した」
と言います。言葉の真意は分かりませんが、この言葉に希望を抱かずにはいられません。
もはや日・米合同班にロシアも加わっていると言っても過言ではなく、身内のようなもの。なんとか首の皮一枚の希望が繋がっているという感じで「テラフォーマーズ」16巻が幕を閉じます。